SPECTRE (Sam Mendes, 2015) - A SPOILER FREE REVIEW BY PAUL ROWLANDS (JAPANESE VERSION)

スペクター(サム・メンデス監督、2015年)

ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、レイフ・ファインズ、アンドリュー・スコット、イェスパー・クリステンセン、モニカ・ベルッチ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、デイヴ・バウティスタ、ロリー・キニア、ステファニー・シグマン 148 

 前作「スカイフォール」(2012年)は総額10億 ドル以上を稼ぎ、インフレを考慮しても、シリーズで商業的に最も成功している。またオスカーを二部門(うち一部門はアデルの主題歌)で受賞し、あらゆる映 画の中で最高との評価を得た。プロデューサーであるマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリは、本作の監督サム・メンデスが舞台の仕事を終え、次 の映画に着手できるのを待ちわびていた。ボンド24(別名「スペクター」)への期待は大きい。

冒頭場面では、「黒い罠」(1958年) を思わせる巧みでスリル満点のカットもあり、「死者の日」の祭の中、メキシコ・シティで、ある男を追い、暗殺を企てるボンドが登場する。ボンドは任務遂行 中に町をほぼ破壊するが、ローマ、オーストリア、モロッコへと向かい、ロンドンへと戻るきっかけになる指輪を手に入れる。それはまた「カジノ・ロワイヤ ル」(2006年)で始まった一連の事件を終わらせるものでもあり、ボンドは自らの過去や未来と向き合うことを強いられる。同時に、MI6MI5との統合やダブルオー・セクションの廃止へとつながる世界的情報共有ネットワークの創設とⅯが戦うものでもある。

本作はダニエル・クレイグ初の「正統な」ボンド映画である。「スカイフォール」での忘れ難い出来事を経て、ボンドは過去に我々が知り、愛したあの007に なった。余裕があり、服装も、洒落たセリフも、女遊びも、装備類もすべて揃い、うまくハマっている。過去のクレイグ出演作のボンドはまったくヒーローでは ないと不平を漏らした人は、そのようには感じないだろう。過去の作品での出来事の結果、ボンドはきわめて人間的にもなった。ヒロインは彼が「いい人」だと さえ言っている。クレイグは、シリーズで最も象徴的なボンドを演じており、「ゴールドフィンガー」(1964年)や「サンダーボール作戦」(1965年)のコネリー以来見られなかった力で役を自分のものにしている。本作で最もうれしい要素の一つに、バルコニーから悪党を投げて死に追いやる前に浮かべる笑み、アストンマーチンDB10の運転席に座ったときの喜び、レア・セドゥとの面会でのふざけた口調といった、クレイグが見せるちょっとしたユーモアを感じる瞬間がある。本作のトーンからは、最初の4作品や「女王陛下の007」に見られる、真剣さとおかしさがほどよく釣り合ったあのトーンが思い出される。

「スペクター」はその大部分が依然サム・メンデスのボンド映画であり、大部分が「スカイフォール」の続編である。メンデスは、後者の最終章にある薄気味悪 い不安感を前者に吹き込んでおり、ボンドと仲間たち - レイフ・ファインズのⅯ、ベン・ウィショーのQ、ナオミ・ハリスのマネペニー - との関係は、 前作から心地よくかつ楽しそうに築かれている。メンデスは映画の最後の場面を再びイギリスに設定し、物語ではボンドが再び過去と向き合い、昔の自分と再び 戦わざるを得なくなる。メンデスは調査や情報収集における人間的感触(情報部員)の必要性を探求し続け、ここでは、政府が自国民を監視することや各国間で 情報を自由に共有することの影響にも関心を示している。「カジノ・ロワイヤル」911後のスリラーであり、「スペクター」はスノーデン後のスリラーだ。 

メンデスは、新しくてロマンチックな感覚も本作に持ち込んでいる。スペクター」では、ボンドと、レア・セドゥ演じる心理学者マドレーヌ・スワン博士との 間で、ロマンスがゆっくりと生まれてくる。二人の関係には、ボンドの過去の関係が反映されている。本作のセドゥは魅力的だ。時に絶妙ではないが、場面ごとに違った美しさがある. 実在感あるキャラクターをうまく創り出している。マドレーヌはタフである一方繊細で傷を負いながらも、過去に打ち負 かされることのない女性だ。彼女は、ボンドにとって回生の新たな機会なのだ。 

「スカイフォール」では、ジュディ・デンチのⅯの死後、レイフ・ファインズが代わって任命された。最新作では大きな見せ場を持ち、C(アンドリュー・ス コット)を相手にやりあっている。また、ボンドとの新しい関係もワクワクするものでおもしろい。ボンドと、名女優ナオミ・ハリス演じるマネペニーとの関係 は、これまで以上に男女が魅かれ合うものとなり、深みが増した。ロリー・キニアのビル・タナーがその役で注目されるのはこれからだ。ダブルオー・セクショ ンの廃止とMI6MI5統合を目論む官僚であるアンドリュー・スコットのCは、演じるキャラクターの傲慢で不可知な性格を実に見事に表現している。
 
Qを演じるベン・ウィショーはただただ素晴らしい。デズモンド・リューウェリンに負けないほど愛らしく、その愛らしさは他に類を見ない。観客は、リュー ウェリンのときもそうであったように、ウィショーの将来の出演を楽しみにすることであろう。実際Qのセリフは、本作で、またボンドのおかげで一番おもしろ いものになった。ウィショーとクレイグ(共演は5回目)の相性は最高で、前作よりもはるかに強い(ボンド)で結びついている。 

ステファニー・シグマンとモニカ・ベルッチは、その美しさとカリスマ性で印象を与えるが、残念ながら出演時間があまりない。しかしベルッチは、劇中で最も 美しく仕上がった場面の一つに出ている。イェスパー・クリステンセンは「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」に続いてミスター・ホワイトとして再登場 し、物語の進展で重要な存在を示す。ボンドとの再会は忘れ難く、そこには予期しない要素が見られる。

悪役オーベルハウザーを演じるクリストフ・ヴァルツは、クレイグ時代では一番興味深く、味を出している。ヴァルツはいつも驚くほど厳格な俳優であり、役を あえて控えめに演じる点で魅惑的だ。そのため人を悩ませる恐ろしい存在であり、そのことは、オーベルハウザーの狂気ぶりがうわべだけではすぐわからないだ けに、一層強調される。ボンドを拷問する彼の方法は、フレミングに続くボンド小説で使われていることがわかる初めてのものであり、非常に不安を煽るもの だ。 

本作の上映時間はシリーズ最長の148分 だが、「スカイフォール」よりもペースが速い。また舞台がより雄壮で、紀行的側面の美しさもきわめて心地よい。メンデスと、撮影担当者ホイテ・ヴァン・ホ イテマは、それぞれの舞台の性格や雰囲気を細かくとらえている。メキシコは壮大で生き生きとしている。モロッコはロマンチックで昔風の感じがする。砂漠で のワンショットは、「アラビアのロレンス」(1962年)でオマー・シャリフが登場する場面を思い 出させる。砂漠の中を進む列車の見事なカットは、荒廃した寂しげな美しさによって、忘れ難いものになっている。ローマは堂々とし、かつ歴史漂うもので、物 語中の亡霊とのつながりにお似合いだ。死にまつわる秘密の町であり、それは建築物にも反映されている。ボンドがオーベルハウザーを初めて目の前で見る瞬間 は、キューブリックや「アイズ・ワイド・シャット」(1999年)を真似たものである。この場面自体、「サンダーボール作戦」(1965年) の象徴的場面の現代版なのだ。オーストリアは美しいほどに白く、山々が連なり、そこではマドレーヌの人里離れた診療所の開放的なガラスが見られる。だが、 死や危険から逃れることは容易ではない。過去のボンド映画を思わせるものは数多く、意図的なものも、おそらくそうではないものもあるだろうが、「死ぬのは 奴らだ」(1973年)と「ロシアより愛をこめて」(1963年)へのオマージュであることは、メンデスとクレイグがすでに認めている。明らかに、過去のクレイグ出演作が意図的に反映されており、物語の推進力や感情を高めている。また、本作までの物語を感情的にも満足行くようにまとめている。

メンデスは本作を息づいたものにしている。タンジールのホテルの部屋でボンドとマドレーヌが互いを理解し、オーベルハウザーと向き合う前に二人のよく似た 過去と向き合うところが、事実本作で一番満足できる部分である。一つの場面で見せるセドゥの寂しげな顔と、感情がこもったトーマス・ニューマンの音楽に は、本当に胸が熱くなる。幕間のように感じるが、実際にはこれが本作の神髄なのだ。マドレーヌが悲しんでいく過程には時間をかけており、こうしたことはボ ンド映画やアクション映画ではめったにない。

アクション・シーンは物語の自然な成り行きから進展し、ボンドはその場で利用可能な手段を使って敵の裏をかいてゆく。例えば、「ロシアより愛をこめて」の 場合と同様に、装備を持っているとしても、それを使うには敵を欺かなければならない。アクション・シーンの編集は従来通りで、追いかけるのは簡単だ。冒頭 場面のヘリコプターでの戦いはスリル満点に組み立てられており、手に汗握る。ローマでのカー・チェイス(幻となったダルトン三作目の脚本中のアイディアに 類似)は、ボンドが車の装備に頼れない、高性能車二台のスピード対決になっている。ボンドの雪上飛行機と敵の自動車が繰り広げる追いかけっこは過去にない 手法で構成され、アドレナリン全開となる。この場面では、ボンドが行く手をよく考えながら敵をやっつけていくところが興味深い。

本作のハイライトと言えるアクション・シーンは、ボンドと、デイヴ・バウティスタ演じるミスター・ヒンクスが列車で繰り広げる、激しく、また演技指導や撮 影が実にうまい戦いの場面である。上出来としか言いようがない。ヒンクスは本作で登場するときも印象深く、ジョーズやオッドジョブと同様の、シリーズの一 見不死身で無口な悪党が戻ってきたことを歓迎したい。 

シリーズで三度目となるデニス・ガスナーの手腕はまたも卓越しており、登場人物の心理状態がいつも通り反映されている。家具がほとんどないボンドのアパー トに注目してほしい。ボンドは、一か所に留まるのではなく前進し続ける存在であり、そのことが映画美術に見て取れる。ジャニー・ティマイムが手掛けた衣装 は、時として優雅に、そしてロマンチックに古い時代を感じさせ、それ以外では今風で高級感が漂う。クリストファー・ノーランお気に入りの編集担当リー・ス ミスは、視覚面や物語上のわかりやすさを損なわずにペースを維持することに熟達している。また、複数の異なる登場人物を同時に巻き込むアクションでバラン スをとることにも才能を発揮している。トーマス・ニューマンの音楽は、「スカイフォール」の曲を繰り返すことで、同作への関連を強調するものだが、それら 繰り返される曲は、物語のミステリー、不安さ、密接性を、また舞台となる土地の雰囲気、歴史、感覚を強めている。サウンドトラックには印象に残るメロディ が欠けているものの、本作にはピッタリだ。サム・スミスの主題歌「Writing's on the Wall」は、従来とは異なるこの歌の成り立ちに慣れれば、時とともに味わいが深まる、ミッドテンポのシャーリー・バッシー風ラブソングである。ダニエル・クライマンの超現実的で悪夢的なメイン・タイトルに奇妙にかつうまく合っている。

メンデスと脚本家ジョン・ローガン、ロバート・ウィエド、ニール・パーヴィス、ジェズ・バターワースは、「スカイフォール」から論理的に続き、「カジノ・ ロワイヤル」で始まった一連の物語を完結させ、これまで以上の雄壮さ・正統さ・おもしろさを兼ね備え、新たなテーマを模索する、意欲的な脚本を練り上げ た。これは快挙である。

本作は完璧ではない。「スカイフォール」同様、論理が欠如していると言える箇所がある。作中で明かされることは、よく考えると呑み込み難いが、感情的には 真実らしく聞こえる。もっと引き締まった作品にすることはできたであろう。全体を通して調子が均等になっているため、物語を推し進めるワクワク感が「カジ ノ・ロワイヤル」や「慰めの報酬」ほどには出ていないという予想外の作用がある。本作の最終章は悪くないが、アクションの比喩的用法がおなじみのものなの で、ここに至るまでの部分には相応しくない。それでも結末は気持的に満足行くものであり、ボンドの最後のセリフも予想以上に感動的で明るく、シリーズ中で もクレイグ時代には感情的つながりが強まったことがうかがえる。

繰り返し鑑賞すると、「人が落下しても死ぬところが見えないのはなぜか? ボンドとマドレーヌの食事の場面では列車の他の乗客はどこへ消えたのか? 悪者 は具体的にどうやって勢力を得たのか?」といったつまらない疑問を持つに至る。ボンドが本当に危険にさらされていると思えるところはなく、全体を通して危 険からいたって簡単に逃れている。悪者の基地で展開する銃撃戦は、肉体的にも精神的にも傷を負ったボンドが脱出できないのではという危うさを見せるチャン スだったのに、無駄になっている。しかしこうした批判的な見方は、最も代表的なボンド映画にさえ当てはめることができるであろう。本作はシリーズ最高傑作 の一本である。
 
「スペクター」は芸術的に成功した、非常に 楽しくスリル満点の映画であり、「カジノ・ロワイヤル」以来満足度は最も高い。クレイグは、シリーズ中でも最高レベルの象徴的でリラックスした演技を見せ ている。製作もスリルがあり、美しく、雰囲気が出ている。ボンドとⅯ、Q、マネペニーとの関係を見ても、それぞれ独特で楽しく、ワクワクする。レア・セ ドゥはシリーズで最も実在感ある美しい女性の一人だ。クリストフ・ヴァルツとデイヴ・バウティスタは卓越した、忘れ難い悪役だ。筋書の題材は現代的かつ刺 激的で、「カジノ・ロワイヤル」から始まったボンドの旅が終わった感じがする。これによりシリーズは興奮やまないものとなり、今後クレイグが演じる各作品 の性質が予測できないことで、興奮はさらに高まっていく。このボンド俳優はこれまでで最高に円熟した、多才な俳優であり、深みのある楽しい映画にこの先も 出会えることを心強く思う。ボンド25が待ち遠しい。 

おっと、最後の場面まで来て笑顔を見せなかったら、君はボンドファンじゃないよ! 

訳:若松眞 

Copyright © Paul Rowlands, 2015. All rights reserved. 


SPECTRE (Sam Mendes, 2015) - A SPOILER-FREE REVIEW

Daniel Craig, Christoph Waltz, Lea Seydoux, Ralph Fiennes, Andrew Scott, Jesper Christensen, Monica Bellucci, Ben Whishaw, Naomie Harris, Dave Bautista, Rory Kinnear, Stephanie Sigman. 148 minutes. 

The previous James Bond film, 2012's SKYFALL, grossed over a billion dollars, and even adjusted for inflation, stands as the most commercially successful film of the series. It also won two Oscars (one of them for Adele's title song), and is the most critically acclaimed of all the films. The producers, Michael G. Wilson and Barbara Broccoli, waited for the film's director, Sam Mendes, to finish his theatre commitments so that he could return for the next film. The expectations are high for Bond 24 aka SPECTRE.

In the precredits sequence, which includes a masterful, thrilling tracking shot akin to TOUCH OF EVIL (1958), we see Bond tracking down and attempting to kill a man in Mexico City, during the Day of the Dead celebrations. Bond almost demolishes the city on his mission but comes into possession of a ring that will set him on a course to Rome, Austria and Morocco and bring him back to London. It will also complete the circle that started in CASINO ROYALE (2006) and force him to deal with his past and his future. At the same time, his superior M battles a merging of MI6 and MI5 and the creation of a global intelligence sharing network that will also see the end of the 00 section. 
 
The film marks Daniel Craig's first 'traditional' Bond film. After the traumatic events of SKYFALL, Bond is now the 007 we previously knew and loved. He's at ease with himself, and the clothes, the witty lines, the womanising, and the gadgets are all present and correct. Those that complained the Bond of the previous Craig films was no kind of hero at all will not feel that way here. He's also noticeably more human after the events of the previous films. The heroine even describes him as 'a good man'. Craig gives one of the most iconic Bond performances of the series, and dominates the part with a force not seen since Connery in GOLDFINGER (1964) or THUNDERBALL (1965). One of the most pleasing elements of the film are the little humorous character moments Craig affords us – the smile he gives a bad guy before throwing him over a balcony to his death, for example; his happiness at being behind the wheel of an Aston Martin DB10, and his playful tone whilst being interviewed by Lea Seydoux. The tone of the film recalls that controlled tone of the first four Bond films and ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE (1969).

SPECTRE is still very much a Sam Mendes Bond film, though, and very much the sequel to SKYFALL. Mendes imbues the film with the eerie sense of dread from the final act of that film, and the relationships between Bond and his new team – Ralph Fiennes as M, Ben Whishaw as Q, and Naomie Harris as Moneypenny, are pleasingly and entertainingly developed from the last film. Mendes sets the end of the film once again in the UK, the story once again involves Bond facing his past, and Bond is once again having to fight his own obsolescence. Mendes continues to explore the need for the human touch (field agents) in surveillance and intelligence gathering, and here he is also interested in the repercussions of the government surveilling its own public and the open sharing of intelligence between nations. CASINO ROYALE was a post-911 thriller, SPECTRE is a post-Snowden thriller.

Mendes also brings a refreshing romantic feel to the film. SPECTRE sees a slowly burgeoning romance between Bond and the psychologist Dr. Madeleine Swann, played by Lea Seydoux. Their relationship has echoes of a previous one Bond has had. Seydoux is captivating in the film. She has a kind of beauty that never hits home and manages to never look the same in each scene. The actress manages to create a three dimensional character. Madeleine is a woman tough but vulnerable and scarred but not beaten by the past. She offers Bond another chance for redemption.

SKYFALL, following the death of Judi Dench's M, saw the appointment of Ralph Fiennes as her replacement. Fiennes has some great moments in the film, crossing swords with C (Andrew Scott). His new dynamic with Bond is compelling and fun. The relationship between Bond and Moneypenny, played the fine actress Naomie Harris, is now more flirtatious but also deeper. Rory Kinnear as Bill Tanner has unfortunately not yet been  allowed to shine in the role. Andrew Scott as 'C', a bureaucrat looking to end the days of the 00 section and merge MI6 with MI5, is very good at projecting the arrogant, unknowable nature of his character. 

Ben Whishaw as 'Q' is simply wonderful. He's as lovable as Desmond Llewelyn but in unique ways, and audiences will look forward to his future appearances as much as they did Llewelyn's. 'Q' actually has the funniest line in the movie – and at Bond's expense. Whishaw and Craig (in their fifth film together) have great chemistry together, and have a much closer 'bond' than they did in the previous film. 

Stephanie Sigman and Monica Bellucci make an impression with their beauty and charisma, but unfortunately do not have much screen time. Bellucci, though, does appear in one of the most stunningly realised scenes of the picture. Jesper Christensen returns as Mr. White from CASINO ROYALE and QUANTUM OF SOLACE, and is important in moving the plot forward. His reunion with Bond is memorable, and contains some unexpected elements.

Christoph Waltz as the villain, Oberhauser, is the most fascinating and effective of the Craig era. Waltz is an actor who is always amazingly precise and he curiously chooses to underplay the role. The result is disturbing and scary, and all the more so because Oberhauser's psychosis could go so easily unnoticed in plain sight. His method of torturing Bond is the film is the first acknowledged use of material from a Bond continuation novel, and is truly unsettling.

The film, actually the longest of the series at 148 minutes, is pacier than SKYFALL. It is also more epic in its locations, and its travelogue quality is extremely aesthetically pleasing. Mendes and cinematographer Hoyte Van Hoytema capture the character and atmosphere of the locations in careful detail. Mexico is grandiose and alive. Morocco has a romantic, old world feel. One shot in the desert recalls Omar Sharif's entrance in LAWRENCE OF ARABIA (1962). A master shot of the train making its way through the desert is hugely memorable for its desolate, romantic beauty. Rome is appropriately stately and historical, and fits well with the ghostly connections of the story. It's a city of deadly secrets, and it's reflected in the architecture. When Bond first sees Oberhauser up close, there is a nod to Kubrick and EYES WIDE SHUT (1999). The scene itself is a modern updating of an iconic scene from THUNDERBALL (1965). Austria is beautifully white and mountainous, with Madeleine's clinic remote and open glass. But death and danger can easily find its way there. There are many reminders of previous Bond films, some intentional, some probably not, although LIVE AND LET DIE (1973) and FROM RUSSIA WITH LOVE (1963) have already been acknowledged as being homaged by Mendes and Craig. Certainly the echoes to previous Craig films are intentional and deepen the drive and emotional power of the story, and complete the arc in an emotionally satisfying fashion. 

Mendes allows the film to breathe, and actually, the most satisfying section of the movie is actually set in a Tangier hotel room where Bond and Madeleine start to understand each other and face their similar pasts before facing Oberhauser. The sadness on Seydoux's face in one scene and Thomas Newman's empathetic scoring are quite touching. It feels like an interlude but it's actually the soul of the movie. The film takes the time to allow Madeleine to go through a grieving process, rare in a Bond film or an action film.

The action scenes flow naturally out of the story, and involve Bond using resources at hand to outwit his enemies. As in FROM RUSSIA WITH LOVE, for example, Bond may have a gadget, but he has to outwit his enemy in order to use it. The action scenes are traditionally edited and easy to follow. The helicopter fight in the precredits sequence is thrillingly constructed and is exciting. A car chase in Rome (akin to an idea used in the script to the unmade third Dalton film) is a duel of speed between two high performance cars in which Bond cannot rely on the car's gadgets to work. A chase between Bond's snowplane and the enemies' cars is inventively put together and full of adrenaline. It's interesting to see Bond thinking his way through beating his enemies in the scene.

The highlight action scene of the film is a brutal, brilliantly choreographed and filmed fight scene aboard a train, between Bond and Dave Bautista's Mr. Hinx. The scene is quite simply a classic. Hinx also has a memorable entrance in the film, and is a welcome return to the seemingly indestructible, mute henchmen of the series like Jaws or Oddjob. 
 
Dennis Gassner's third work for the series is once again excellent, typically echoing the psychology of his characters. Note Bond's sparsely furnished apartment. This is a man who exists to be moving forward and not staying still, and it's reflected in the production design. Jany Temime's costume work is elegantly and romantically old school at times, and super modern and classy at others. Lee Smith, Christopher Nolan's favoured editor, is adept at maintaining pace without sacrificing visual and narrative clarity. He's also talented at balancing concurrent action involving different characters. Thomas Newman's score emphasises the film's links to SKYFALL by reprising some of its cues, and his choices emphasise the mystery, dread and immediacy of the story, and the atmosphere, history and feel of the locations. The soundtrack lacks memorable melodies but is perfectly in sync with the film. Sam Smith's theme song Writing's on the Wall is a mid-tempo Basseyesque love song that improves with time after one becomes more attuned to its unconventional structure. It oddly fits Daniel Kleinman's surreal, nightmarish main titles very well.

Mendes and his writers John Logan, Robert Wade and Neal Purvis, and Jez Butterworth, have fashioned an ambitious Bond screenplay that follows logically on from SKYFALL, completes the arc begun with CASINO ROYALE, achieves a more epic, traditional, and fun quality, and explores new themes. It's a considerable achievement.

The film is not perfect. As with SKYFALL, sometimes the logic is arguably lacking. The revelations in the film are hard to swallow upon reflection but they ring emotionally true. The film could perhaps have been tighter. A side effect of the film keeping a balanced tone throughout is that the action is never as propulsively exciting as CASINO ROYALE or QUANTUM OF SOLACE. The last act of the film is good, but does not live up to the rest of the film because it relies on familiar action tropes. That said, it's a satisfying ending emotionally, and Bond's final line is unexpectedly moving and upbeat, reminding one of the increased emotional connection the Craig era has brought to the series. 

Subsequent viewings bring up niggling questions like 'Why do we never see people actually falling to their deaths? Where did the other passengers on the train suddenly disappear to in the Bond and Madeleine dinner scene? How exactly did the villain achieve his power base?' Bond never really seems to be in peril, and escapes very easily throughout the picture. A shootout at the villain's compound is a wasted opportunity to see a physically and mentally impaired Bond in danger of not achieving his escape. But such a critical eye could be applied to even the most classic of Bond movies. And this is one of the best.

SPECTRE is an artistically successful, hugely enjoyable thrill ride of a movie, and the most satisfying Bond film since CASINO ROYALE. Craig delivers one of the most iconic, relaxed performances of the series. The filmmaking is thrilling, beautiful and atmospheric. The relationships between Bond and M, Q and Moneypenny are each unique, entertaining and compelling to watch. Lea Seydoux is one of the most three-dimensional and beautifiul women of the series. Christoph Waltz and Dave Bautista are brilliant, memorable villains. The storyline is topical and thought-provoking, and Bond's journey from CASINO ROYALE feels complete. It leaves the series in an exciting place, and what is even more exciting is that we have never really been able to predict the nature of each succesive Craig installment. We have the most fully rounded, multi-faceted Bond actor yet, and the opportunities for films as fun as they are deep is heartening. Roll on Bond 25.

Oh, and if the final scene doesn't leave you with a smile on your face? You're not a Bond fan!



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